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シャトー・ポンテ・カネ 2001

wine

 CH ポンテ=カネは’94から’00までのヴィンテージを飲んでいて、その品質の高さは世間の評価通りだと感じていた。ハズレだったのは98だけだと記憶している。01を開けてみたのは、2001年のボルドー左岸についての風説、曰く「古典的な長熟型だ」「いや早く飲め」を気まぐれに確かめてみたいと思ったからだ。なにしろ、熟成したワインが好みのk-oniisanは01以降のボルドーは殆ど飲んでないのだ。

 

 

 

 で、この銘柄について言えば従来通りの安定感で、メドックグランクリュでも、ほぼハズす恐れのないシャトーだと評価していいと思う。この01は、今は閉じ気味で酸味が鋭くタンニンもまだ硬いが、それらが舌に不快な刺激を与えず、バランスの良さが際立っている。デキャンタージュしてしばらく置くか、もしくは5年以上寝かせれば真価を発揮するはず。今、たまたまデキャンタが手元にないのが残念なところ…

 因みにこのポンテ=カネ(PONTET-CANET)、アクセントは「カ」にあるらしい。以前、あるフレンチ・レストランでこの銘柄を注文したら、ソムリエからアクセントの位置を正されてしまった。それまでは「テ」だと思っていたのだ。

と、以上全部ワイン・スノッブごっこです。今後も時々してみます。

(2006年6月 記)

 

 

経済物理学で経済政策を評価する方法ってあるのかな

science

水の温度が100℃を超えても沸騰しない現象を「過熱」といい、0℃を下回っても凍らない現象を「過冷却」という。
過熱/過冷却状態の水に砂粒を落とすなどして刺激を加えると、それが引き金になって一気に水の相転移が進む。つまり、砂粒の刺激によってぎりぎりの均衡が崩壊し、急速に沸騰や氷結が始まるわけだ。
経済現象にも、この過熱(過冷却)とその破れに類する現象が存在すると思う。経済物理学の教科書を紐解けば、そんな現象に関する記述はきっと見つかることだろう。
で、教科書を読むのは時間がかかるので、読まずに思いつきをつらつらと書いてみる。
戦後の日本には、そのような経済の相転移が大きく分けて二度起こっているのではないか。
最初は、高度成長の始まり。朝鮮戦争による特需が引き金となって復興経済が強力に駆動を始めたのは、元々それだけのポテンシャルを持った経済が一種の過熱状態にあったからだと言えそうだ。
次はバブル崩壊後の長期停滞。実力以上に膨張した経済が、バブルの崩壊を切っ掛けにして長期低迷へと相転移する。
こうした例えが単なる物理学的アナロジーなのか、それ以上の科学的説明に成り得るのかはよく分からないが、架空の理想状態を前提にする既存の経済学と、同等以上の説明能力を持つ可能性は当然あるだろう。
と言う訳で、過熱(過冷却)からの相転移という概念を用いてリフレ政策の効果について単純に検討してみる。いや、旬なので。
株価や為替の動きを観察して分かることは、それらが人工的な要因で大きく変動しても一時的な現象に留まり、長期的なトレンドの転換にまでは、まず至らないということだ。中央銀行が多量の通貨買いオペレーションを実施したり、米国なんかで大きな事件が発生したりして、急激に株価や為替が動いたとしても、数時間から数日もすれば元に戻ってしまう。こうした現象は、直接的に通貨供給量を増やすリフレ政策には、中長期的な作用はないことを示唆していると思われる。
しかし上記の過熱(過冷却)と相転移の概念を持ち込んだらどうなるか。
経済が過熱/過冷却状態のときに人工的に現金の散布を行えば、それが引き金になって経済の状態に相転移を生じせしめることが可能だということになる。これが意図的にできたら凄い。タイミングを見計らって給付金を出したり政府通貨を発行したりすることで、急速な景気回復から、巧くすれば成長のトレンドまで転換することが可能になるのだから。
しかしながら、この着想には殆ど実用的な意味はないだろう。と言うのは、今、経済が過熱/過冷却状態にあるのかなんて判断できないし、できたとしてもそんな状態ならほっといてもそのうち勝手に相転移するだろうし、また、散布は単に相転移の引き金になるに過ぎず、経済的実力自体を向上させる技術やメソッドにはなり得ないのだから。やっぱり重要なのは経済的な”ポテンシャル・エネルギー”を向上させる施策なのでしょう。
なんか、経済物理学を無性に勉強したくなってきた。

暇なのでつぶやいたことを加筆訂正してまとめてみた <今のままでいて>

映画

今のままでいて HDニューマスター版 [DVD]

今のままでいて HDニューマスター版 [DVD]

■中学高校の頃、年末年始の深夜に放映される映画が好きで、毎年楽しみにしてました。ゴールデン洋画劇場などの普段の時間帯には放映されない類の映画が鑑賞できたのがよかった。当時の地方では、そのくらいしか非メジャーな映画にふれる手段がなかったのです。
■上海万博のテーマソングとなった「そのままの君でいて」、このタイトルから連想してしまう映画が、ナスターシャ・キンスキーの『今のままでいて』。いや、単に連想なんだけど、当時の深夜映画で観て鮮烈な印象を受けたので、ずっと気になっていた映画です。
■当時、タイトルと女優の名前をチェックできなかったのでずっと気になっていて、大学生になってから映画マニアの友人に聞いてみても知らない。そして映画雑誌でたまたまタイトルを発見したので、レンタルビデオ屋に行ったが置いてない。
■そのまま忘れていたところ、2005年頃だったか、ウェブ時代に入ってようやくアマゾンで再会でき、DVDを入手できました。
■ウブな厨房時代にこれを観て、ある種のタブーに触れるささやかな罪悪感を原体験させてもらいました。いや、エロいからってことじゃなくて、それプラス犯してはならないタブーが描かれているわけです。
■若かりしナスターシャ・キンスキーの魅力は未だ色褪せませんが、苦笑交じりで古き良き時代の映画を鑑賞するような感覚も必要かも知れません。ナスターシャ演じるフランチェスカの部屋にベタベタ張ってある歴史上の著名オヤジ達のポスターに視聴者はきっと吹く。
■画面を確認すると、ヘミングウェイアインシュタインマルクスフロイトブラームスセザンヌ、その他数名。フランチェスカはこんなオヤジが大好きな美少女です。で実際、彼女が30年以上年上のオヤジと恋愛するというお話。ロリータ趣味の文化を持つ欧州オヤジの願望が表出しているようで、痛さもちょっと透けて見えるかも。
■個人的な原体験と結びついているために、忘れられない映画のひとつになってます。 ・・・結局、殆どつぶやきと違ってしまった。

重力の再発見 −アインシュタインの相対論を超えて−

書評 science

重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて

重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて

銀河を公転する恒星は、銀河円盤の外縁付近でも公転速度があまり低下しない。この現象は既存の力学では説明のつかない観測事実だ。
例えば、地球を周回する人工衛星は、地上からの高度が高いほどゆっくり地球を回る。高度350Kmを周回する低軌道衛星は90分で地球を一周し、高度36,000Kmの静止衛星は24時間で地球を一周する。太陽を公転する惑星も同様で、水星は88日で太陽を一周し、地球は365日、海王星は165年を要する。しかし、銀河を周回している恒星はこうした法則に従わず、外縁付近でもかなりの速度で公転しているらしい。
この理由を説明する主流の説では、銀河をハローのようにダークマターが取り囲んでいるために、その重力場の効果によって公転速度が保持されると考えている。ダークマターは宇宙を理解するために不可欠な存在なので、その検出が試みられているが成功していない。果たして、重力にしか反応しないために観測にかからない、こんな奇妙な物質が本当に存在しているのだろうか。
著者のモファットは、ダークマターが存在しなくても公転速度の謎を説明できる重力理論「MOG」を提唱する物理学者であり、その成果を本書で一般向けに解説している。
MOGはアインシュタインの一般相対論を改訂する新しい重力理論であるために、多くの物理学者は否定的な反応を示すのだろうが、流行のスーパーストリング理論と違って、宇宙物理学の様々な未解決問題に検証可能な形で解答を与えると著者は主張する。本書にはその実例が示されていて、例えば、連星パルサーにおける中性子星の軌道、衛星銀河や球状星団に含まれる恒星の運動、こうしたものをシンプルに説明でき、また、慣性の法則はMOGから導けると言う。
革命的な理論でありながら、オーソドックスな方法論に則っているために、検証が比較的容易であることがMOGの最大の強みなのだろう。
異端で終わってしまわないかも知れない新理論を味わってみるのも、また一興だと思う。

シャルロパン=パリゾ シャルム・シャンベルタン 2002

wine

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ブルゴーニュのグランクリュです。初回リリース直後に入手。当時1.9万くらいでした。今入手するといくらになるんでしょうね。
シルキーで繊細な舌触り。濃厚タイプではないが黒果実系の香りと深みあり。酸は強いが滑らかなのでとても爽やか。タンニンは並。開けるの早いかと思ったが既に飲める。すばらしい。やっぱりあと数年寝かしとけばよかった。